2011-08-16

2種類の被爆調査結果の意味するところ 南相馬と福島の子供(5ヶ月前)

南相馬の内部被爆検査と5ヶ月前の福島の子供の外部被爆調査結果が一日置いて報じられています。前者の記事を見る限りなんとなく安心のような気にさせられ、後者でやっぱり心配という感じでしょうか。安心できないのは、以前浪江町・飯舘村・川俣町の住民122人の先行調査として書いた以下の懸念があるからでしょう。ヨウ素やセシウムだけでなく、他の核種の状況が判っていないことも心配に拍車を掛けます。

  • 正確に測ることが難しいと言われるホールボディカウンターによる調査であったこと
  •     → 水素爆発以降の外部被曝累積では既に1mSvなど大きく超過しているのでは?
  • 現在の内部被曝しか調査されていないこと
  • 今住んでいる場所の線量が考慮されていないこと

  • 南相馬・内部被ばく検査結果 男性から1ミリシーベルト超 【河北新報社】 8月14日 
    福島県南相馬市は13日、市立総合病院で7月11日に始めた市民の内部被ばく検査について、1カ月分の結果を公表した。市内の60代男性1人の預託線量(摂取後50年で受けると推定される放射線量)が1ミリシーベルトに達し、小学生2人から微量のセシウムが検出された。
    今月11日までの受診者数は6~15歳の小中学生339人、同市原町区など特定避難勧奨地点付近で生活する16歳以上の成人569人の計899人。
    検査結果によると、治療が必要とされる20ミリシーベルト以上の被ばくが確認された人はいなかった。線量は成人受診者の99%に当たる561人が0.5ミリシーベルト未満、7人が0.5ミリシーベルト以上~1ミリシーベルト未満。小中学生はセシウムが検出された2人以外は、検出限界以下だった。
    1ミリシーベルトに達した男性は福島第1原発事故が起きた3月12、13日ごろ、生活用水確保のため長時間の屋外活動をしていたという。
    桜井勝延市長は「市民1人が1ミリシーベルトに達したのは残念だが、大半の受診者は安心できる数値。市内が、生活に支障ない環境と判断してもらえるのではないか」と述べた。
    半減期を過ぎているヨウ素131は成人、小中学生とも検出されなかった。市立総合病院の金沢幸夫院長は「ヨウ素被ばくによる甲状腺がん発生については、計画的な検診が必要」としている。    

    子どもの甲状腺から放射線検出 【NHK NEWS WEB】8月13日 16時48分
       
    東京電力福島第一原子力発電所の事故のあと、福島県内の1,000人以上の子どもの甲状腺を調べたところ、およそ半数から放射性ヨウ素による放射線が検出されたことが分かりました。専門家は「微量なので、健康に影響が出るとは考えにくいが、念のため継続的な健康管理が必要だ」としています。
    この調査結果は、13日、東京で開かれた日本小児科学会で、広島大学の田代聡教授が報告しました。田代教授らのグループは、国の対策本部の依頼を受けて、今年3月下旬、福島県いわき市や飯舘村などで、1,149人の子どもを対象に甲状腺への被ばく量を調べる検査を行いました。その結果、およそ半数の子どもの甲状腺から放射性ヨウ素による放射線が検出されたということです。田代教授によりますと、甲状腺への被ばく量100ミリシーベルト以上に達した場合に健康に影響が出るとされています。しかし、今回検出された放射線から換算される甲状腺への被ばく量は、子どもへの影響を最大限に考慮しても、最も多い人で35ミリシーベルトで、「健康に影響が出る値ではない」ということです。田代教授は「微量なので将来、甲状腺がんが増えるとは考えにくいが、万が一の場合にも対応できるよう継続的な健康管理が必要だ」と話しています。検査の結果は、来週以降、国の対策本部から子どもや保護者に通知されることになっています。

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