2009-10-26

衣食住(3)

補足の続きです。
  1. 衣食は再生産可能だが、住はそうではない(土地は有限である)ために希少性が高まる
  2. 日本においては、伝統的に、人生のある段階で持ち家をすべきだと考える国民が多い
  3. 生涯所得獲得が不安定だと予想される中で、一大イベントの持ち家の妥協点模索は困難
2. と3.に関して言えば、持ち家志向に若干の変化が見られます。供給過剰な状況下、優良な物件も有り、借り手市場になってきているのではないでしょうか。しかし、まだまだ持ち家志向は根強く、人口は減りながらも世帯数はさほど減っていないというような状況下、コストに関しては以下のように表現できるのではないでしょうか。
  • 親から相続した土地家屋が有れば幸運だが、家屋は少なくとも劣悪な(狭いとか、デザインが古いとか、リフォームに値しない)ものが多く、立て替えることが多い

  • 新規購入の場合は、相場が落ち着いてきているとは言え数千万円の出費を覚悟せねばならず、生涯年収に対する比率が高すぎる
    (例) 建蔽率30%の第1種住専の土地+延床42坪の二階建住居の場合、70坪の土地代(100万円/坪)と3,000万円の上屋でちょうど1億円、これに外構の費用や、借入金金利が上乗せされる
よく「人生の最大の買い物」と言われるようなこんな大きな出費を捻出するというのは大変なことです。その原資、いわゆる可処分所得は、獲得した報酬からボッタクリの税金やねずみ構のような年金掛金を引かれ、やせ細っています。さらに、その可処分所得から生活費を拠出し、残余からやりくりしているのが現状です。こんなところには衣食住の先の「楽」のための資金が残ったり残らなかったりするのもまた事実なのではないでしょうか。

筆者と一緒に、楽しんで暇つぶしをしてくれる人が少ないのも納得できるというものです。

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