2014-07-20

思いっきりブラックな電力会社という犯罪組織

公共と言われるサービスを提供するのは大変なんですね。クロそのもののpracticeを続けているのは中電だけではないでしょう。その金は巡り巡って電気料金の値上げに繋がり、役員を始めとする社員への報酬・給与という形で分配されているのでしょう。サービスの受益者はホントに馬鹿にされているということなのです。やはり電力会社も役所ということです。あー汚らしい。
『(原発利権を追う)知事選は建設会社、便利な裏金だった』 【7/20 朝日】

中部電力(本店・名古屋市)で政界対策を担う秘書部の幹部を長く務めた元役員は取材に対し、当事者しか知り得ないウラの活動の詳細を淡々と語った。

 「私がやってきたことは社内でも一握りしか知らない」

記者が元役員に初めて接触したのは昨年12月末だった。今年6月末まで取材は15回、30時間を超えた。毎回、取材を終えて元役員の発言について調べると、10年以上前に会った人物を含めて氏名の表記や読みはいつも正確だった。会った場所や当時の様子も詳細で、相手の人柄や趣味も事細かに記憶していた。「元役員は社内では頭の切れる緻密(ちみつ)な人物という評判だった」(中部電元幹部)という。

秘書部の業務はベールに包まれている。社長や会長の財界活動の補佐や幹部人事の策定に関わり、政治家との窓口も務めた。「秘書部は政界対策を担い、社内で隠然たる力があった」(中部電元首脳)という。

元役員が最初に記者に打ち明けたのは、社の交際費から合法的に支出した「オモテの金」の使い道だった。

電力各社は1974年に自民党への企業献金廃止を決めたが、自民党の政治資金団体「国民政治協会」への献金は幹部社員による個人献金で続いた。中部電は「個人の判断で、会社としては関知していない」と説明してきたが、元役員はそれがごまかしであることをはっきり認めた

「肩書ごとに決められた定額を、会社が給料から引き落とすなどして徴収し献金させていた。そこに個人の意思はなかった」

政治資金収支報告書に残らない形で自民党有力議員のパーティー券を購入したこともあったという。
   「グループ企業だけでなく、大手建設会社にも協力を仰いだ」

企業献金廃止の業界ルールを完全に破っていたことも明らかにした。

「首相や首相経験者、東海地方の国会議員側に夏と年末の2回、100万~300万円を議員会館や個人事務所に持参した」

一方、政界対策費を建設会社に工面させる「ウラの金」の存在を記者が聴き出すのには時間がかかった。

詳細を尋ねても言いよどむことが続き、雑談だけで終わる取材もあった。核心を口にしはじめたのは、8回目の3月末のことだ。

県知事選で配る金は建設会社に作ってもらった。中部電として使う金を建設会社に用意してもらったということ。便利な金だった」

建設会社が工面した金は会計帳簿に記さず、税務申告もしなかったという。領収書が不要で存在するはずのない金は足がつかず、使い勝手が良かった。

  「裏金を管理することは税法に触れるとわかっていた」

この日から裏金の使い道を元役員に繰り返し尋ねるとともに、当時の関係者への裏付け取材を並行して進めた。4月末には、裏金を工面し続けた建設会社の元幹部が「中部電から協力を依頼されるのは信頼の証しだった。断る理由はなかった」と認めた。

知事選の告示前に「自由にお使いいただけるものでご支援したい」と電話を入れ、数百万円の裏金が入った紙袋を自ら渡す。授受場所は知事宅やホテルのロビーなど。やりとりは5分程度。礼を言われると、すぐに辞去する――。証言内容は常に詳細だった。

「選挙はいろいろと金がかかる。自由に使えるカネは喜ばれた。国会議員と違い、知事は資金集めに困っている人が多かった」

記者は元役員に実名証言を依頼してきたが、証言が「ウラの金」に及び、「実名だけはさすがに勘弁してほしい」と固辞された。元役員は個人的な感情はほとんどはさまず、事実関係を淡々と語り続けた。自らが関与した不正を明かした理由について「言葉にするのは難しい」と言い、顔をしかめて続けた。

「裏金を扱う仕事はブラックボックス。とても嫌だった。でも、電力会社が裏金を使わずに済む時代が来るとは思えない

元役員が証言した裏金問題は、刑事事件としての時効が成立している。(砂押博雄、板橋洋佳)
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〈中部電力〉 1951年設立、資本金約4307億円。愛知、岐阜、三重、長野の4県と静岡県の中西部に電力を供給する。電力10社のうち売上高は3番目。同社唯一の浜岡原発は76年に運転を始めた。

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