2012-01-24

『東電、火力発電を分離 原賠機構が経営見直し案』【1/23 日経】

分社化の話は以前書きました(今読み返したら、特に2.になかなか良いことを書いています)が、筆者のアイデアは原子力の分離であり、火力の分離ではありません。原子力を他の発電や送電と一緒の会社にしていては、国の支援がし難くなります。原発は止めるのですから、原子力部分こそ、国鉄の清算事業団と似た形で、「賠償事業団」として分離するのが抵当でしょう。


『 東電、火力発電を分離 原賠機構が経営見直し案  送配電など社内分社も 【1/23 日経】
東京電力と政府は公的資金を使った資本注入後の東電について、火力発電部門の分離・売却を軸とした経営形態見直し案の検討に入った。東電の発電能力の約6割を占める火力部門に外部資金を導入し、コスト圧縮にもつなげる。残る原子力などの発電や送配電、販売などの各部門は経営透明化のため社内分社による独立運営とする案が有力。これまでの発送電の一体運営を一部見直す形となり、電力市場の競争が本格化する。
 
政府が出資する原子力損害賠償支援機構と東電は、原発事故後の東電の経営を抜本的に見直すため、3月に「総合特別事業計画」を策定する。経営形態の見直しは、資本注入や経営体制の刷新などと並ぶ改革の柱。電力会社の自前主義が転換する契機ともなりそうだ。
 
火力発電設備は能力で約4千万キロワット(2010年度時点)、資産規模で約9千億円。発電所ごとに本体から分離し他社の出資を受け入れる案や、発電所の大半をまとめて切り離す案などを検討している。発電所によっては外部に完全に売却する可能性もある。実施時期は当面の電力不足解消にメドがついた後になるもようだ。
 
実現すれば、分離した火力発電所は東電に電力を供給するだけでなく、独立系事業者に販売することも選択肢になり得る。管内で東電と独立系事業者との競争が促進される可能性が高い。
 
東電は原発の停止で火力発電にシフトせざるを得ないが、賠償や廃炉の負担を抱えながら新鋭設備に更新していくのは難しい。火力部門を分離すれば、他社との発電所の共同運営や外部資金の調達がしやすくなる。
 
このほか、火力燃料の主力である液化天然ガス(LNG)を他の電力・ガス会社と共同調達することも目指し、具体策を検討する。
 
東電本体に残る原子力や水力などの発電、送配電網運営のネットワーク、顧客への営業など販売の各部門は社内分社(カンパニー)に移し独立運営を徹底させる方向で調整中。特にネットワーク部門は独立系事業者から送配電を受託する役割を持つため、他部門との情報遮断などを強化し中立性を高める。原発事故の賠償や廃炉は引き続き東電本体で手がける。
 
3月に東電と機構がまとめる総合計画では、東電への資本注入で政府が3分の2以上の議決権を取得することも視野に具体的手法を検討中だ。社外取締役が中心の「委員会設置会社」に移行し、現在17人いる取締役を大幅に削減。会長を外部から招へいする方向で調整している。』

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