2013-02-21

日経の滝順一君、ちゃんと取材

始めて彼の書いた生生しい取材の結果を読みました。初めての公平な(偏っていない)書き方だと思いますね。

ただ、「■取材を終えて」欄には、菅谷市長の発言の補足だけでなく、もう少し自分の考えたことを書いた方が良いでしょう。もっとも、そうすると偏った内容でしか書けなさそうなところが辛いですね。原発推進の日経に所属していることが辛いのでしょう。
『チェルノブイリ事故25年以上、現地なお先見えず 松本市の菅谷市長に聞く 編集委員 滝 順一
』 【2/20 日経】

長野県松本市の菅谷(すげのや)昭市長は、外科医として1996年から2001年まで約5年半、ベラルーシに長期滞在し、チェルノブイリ原子力発電所事故(86年)後に多発した小児甲状腺がんの治療にあたるなど医療支援を続けた。昨年7月にベラルーシを訪れ、かつての患者や知人、政府の医療関係者に会い、事故から25年以上が過ぎた現地の状況を調べてきた。
- 以降本文略 -

■取材を終えて

甲状腺がん以外の健康被害に関しては議論があるところだ。放射線防護の観点から被ばくによる健康影響にはしきい値(それ以下なら問題ないという値)はないとされるが、低レベル被ばくと疾病の因果関係を明らかにするのは容易ではない。また他の環境要因に比べ、被曝(ひばく)によるリスク増は小さいとも推定される。

菅谷市長が福島でも広範囲の移住を選択肢にあげるのは福島第1原発から離れた福島市など「中通り」でも事故後に1平方メートル当たり10万ベクレルを超える放射性セシウムの土壌汚染があったことがわかっているからだ。これはベラルーシの軽度汚染地にほぼ相当する。除染によって住宅地の汚染度は下がっていると考えられるが、菅谷市長はベラルーシの状況からみて油断しない方がいいと考えている。

また市長の耳にはベラルーシにおける未熟児や早産・死産の増加といった周産期医療での問題も聞こえてくるという。これもはっきりとしたデータがあるわけではない。ただゴメリに周産期医療センターを建設する計画があり、そこにチェルノブイリ医療支援の一環で長野県立こども病院(安曇野市)で研修した経験を持つ医師が参加する可能性があるそうだ。現地の確かな情報が入りやすくなることを期待している。

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