2012-03-05

『原発事故由来セシウム濃度 東京湾じわり上昇』 【3/2 東京新聞】


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海産物の汚染状況は、移動する海水の中で、これまた移動する魚がどう育ってきたかによるところが大きいと思います。どれだけ汚れた海水が、いつどこに存在しているかは、地上のホットスポットの検出より遥かに難しく、最終的には個体のベクレル数を計るしかないのです。海産物の汚染度を示すデータが非常に限られている中で、東京湾に限定した調査結果が東京新聞(3/2)で報じられています。それは、原発から直接海に流された放射性物質による汚染ではなく、一旦地上に降り注い放射性物質が河川に乗って流れ込んだことによって発生しているものです。幸いベクレル数はさほど高くないようですが、筆者は今までどおり、江戸前の寿司は当分控えたいと思います。また、東京湾以外でも、汚れた河川が流れ込む湾の海産物は忌避したいものです。

記事からの抜粋は以下のとおりです。
『福島第一原発事故による影響で、東京湾の荒川河口付近の海底で放射性セシウムの濃度が上昇していることが近畿大の山崎秀夫教授(環境解析学)の調査で分かった。国は現時点で東京湾で調査を行っておらず、山崎教授は「今まさに原発事故由来の放射性物質が、首都圏の放射能濃度の高い地域を流れる河川から東京湾に届いたところ。今後の推移を見守るため、国による継続的な調査が必要だ」と指摘する。』 
『~荒川河口の若洲海浜公園近くの地点では、泥の表面から深さ五センチの平均濃度が八月に三〇八ベクレル、十月に四七六ベクレル、十二月に五一一ベクレルと上昇。ほかの多くの地点でも濃度は上がる傾向で、湾の中央より河口付近で比較的高い数値が測定されたという。』
『山崎教授は、核実験が盛んだった一九六〇年代に、河川から琵琶湖に流入したセシウムの研究データから、地形が似る東京湾へのセシウム流入のピークを一、二年後とみる。「半減期三十年のセシウム137はとどまるものの、半減期が二年の134は急速に減っていくため、今後、濃度が著しく上昇することは考えにくい」とする。』
『山崎教授は東京湾で採取した魚介類の濃度も測定。検出限界値以下か多くても一〇ベクレル以下で、「このまま推移すれば全く問題のない数値だ」と指摘する。』

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