2013-05-22

流通している食品のセシウム汚染 (10) 山形の山菜

山菜の売れ行きが順調なのは、客が冷静なのではなく、大手マスコミが(極少にしか)報じないことによる警戒心の欠落だと思うんですけどね。筆者の周りにも警戒心の無い、生存能力の低そうな人が沢山います。検査の費用は県が立て替えても良いですが、最終的には東電が負担すべきでしょう。東電は昔からも国営同然ですから国の負担だとも言えます。

そして、もう一度書いておきますが、山形の山菜という括りで見た場合、基準値以上の食品が流通したことは確かであり、風評でも何でもない事実だということを生産(採取・販売)者は認識してもらいたいものです。
『県の検査態勢見直しに産直、消費者は 恵みの山菜に冷水、強化歓迎や風評懸念も』 【5/21 山形新聞】

自生する山菜について県は20日、放射性物質検査の対象範囲を拡大した。この時期、県内各地の産地直売施設は山菜が主力商品。関係者は「消費者の安心につながる」と検査態勢強化を歓迎する。一方、対象品目の拡大が新たな風評被害につながりかねないとの不安を口にする生産者もいる。

「しっかり検査し、安全かどうか早く確認してもらいたい」。戸沢村の産直施設関係者の男性は強調する。シドケなど村内でこれから最盛期を迎える山菜があるからだ。最上町で採れたコシアブラから基準値を超す放射性セシウムが検出されたことを受け、17日に県が最上地方の各市町村などのコシアブラを対象に行った検査で、同村産は「不検出」だった。ほかの山菜も安全だとは思っている。県の検査態勢強化に「販売に差し支えないよう結果をすぐに発表してほしい」。

組合員57人のうち約20人が山菜を出荷する酒田市八幡地域の農産物直売所「たわわ」。阿部喜至夫組合長(48)は、最上町のコシアブラが基準値超となった直後は風評被害を心配したというが「売れ行きは順調。お客さまは冷静に受け止めているようだ」。検査態勢強化について「ダメなら(販売)できない、良ければ出せる、とした方が消費者も安心する」と話す。

西川町水沢の「いきいき直売所」は、住民が採った町産だけが並ぶ安心感が売りの一つ。福島、宮城などから訪れる人もいる。同町は昨年、コシアブラを含む山菜5品目で独自検査を実施。結果はいずれも不検出だった。ことしも同程度の品目数で検査を予定するが、1品目当たり2万円弱の費用が掛かる。町産業振興課は「県が手広く検査してくれれば、町の負担削減につながるかもしれない」。

「森のめぐみ直売所」を運営する小国町森林組合は震災後、ワラビを含め地物の山菜について独自に検査をしてきた。これまでの結果はいずれも不検出。同組合では「安心して買っていただくために検査は必要」とする。今回の問題について「なぜ福島から遠い最上町で基準値を超えるのか、その経緯が分からない」との戸惑いも見せる。

新たに対象品目に加えられたウコギは米沢市内の家庭で生け垣に使用される一方、食材としても生産されている。ヤマウコギなど天然物が検査対象となるが、ウコギを栽培している米沢市塩井町塩野、農業高橋貞一さん(77)は「検査対象になることで風評被害が心配だ。露地栽培のすべての作物を検査すべきだ」と訴える。

最上町向町の40代男性は「コシアブラを食べた後、報道や町のチラシで基準値を超えていたことを知った。直ちに健康に影響が出ることではないとの説明だったので、必要以上に神経質になることはない」とした上で「春に山菜を食べるのは普通のこと。コシアブラ限定だとしても(採取)自粛は残念だ」と話した。

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