2013-07-13

流通している(かもしれない)食品のセシウム汚染 (16) 茨城のスズキ

とうとう桁違いの汚染魚の情報です。少し南に行って千葉県沖で獲れたなら流通しちゃうんじゃないですか? 「検査には万全を尽く」すなら、①全匹 ②他の核種も全て検査して欲しいものです。
『茨城沖のスズキ1000ベクレル超』 【7/11 NHK NEWSWEB】

茨城県北部の日立市沖で採取されたスズキから、1キログラム当たり1000ベクレルを超える放射性セシウムが検出されました。

おととしの原発事故直後以来の高い値ですが、茨城県沖のスズキには国から出荷停止の指示が出ていて、市場に出回ることはないということです。

茨城県によりますと、今月4日に茨城県北部の日立市沖で採取されたスズキを検査した結果、国の基準の10倍を超える1キログラム当たり1037ベクレルの放射性セシウムが検出されました。

茨城県沖の魚介類から1000ベクレルを超える放射性セシウムが検出されたのは、原発事故直後のおととし4月に、北茨城市沖のコウナゴから2回あっただけで、今回はそれらに次いで3番目に高い数値だということです。

茨城県沖のスズキは、国から出荷停止の指示が出ていて、市場に出回ることはないということです。茨城県は「事故からおよそ2年4か月が経って高い濃度の放射性セシウムが検出された理由は分からないが、安全な魚を出荷できるよう、検査には万全を尽くしたい」としています。

2013-07-12

2種類の汚染水

東京新聞の読みは当たっているように思われます。東電はいつまで調査中なのでしょうか? 地下水もこうですが、地上の汚染も全くと言って良いほどデータ提供や状況説明の無いやりっ放し企業は本当に困ったものです。
『福島第一 漏出汚染水 2種類か 放射性物質、井戸で違い』 【7/11 東京新聞】

東京電力福島第一原発で海に汚染水が再び漏出している疑いが強まっている。原子力規制委員会は十日、海洋拡散の疑いを指摘し、東電に早急な対策を促した。ただし、各所にある汚染監視用井戸の水に含まれる放射性物質の濃度などの特徴から、二種類の汚染水が漏れている可能性もある。 (清水祐樹)

五月末以降、1号機と2号機の両取水口の間にある井戸などで、ベータ線を発する放射性物質を高い濃度で検出。奇妙なのはセシウムがほとんど検出されない点だった。

東電は、一昨年四月に高濃度汚染水が海に漏れた際、一部が土壌中に残ってセシウムを除く放射性物質が地下水に流れ込んだ、と説明。規制委は、建屋地下につながるトレンチ(地下のトンネル)から汚染水が漏れだした、との見解だ。

どちらの説も、セシウムは土壌に吸着されたものと解釈しているが、建屋地下の汚染水に含まれるセシウム濃度は一リットル当たり約八〇〇〇万ベクレルもある。それが、土に触れただけですっきり消えるとの説明には無理がある。

むしろ、水の放射性物質の濃度分布では、セシウムがほとんど含まれず、ベータ線を発する放射性物質が高濃度という点で原子炉の冷却水と似ている。注水用配管から井戸まで百メートルほどあるが、原因の候補から外すのは問題だ。

一方、八、九両日には2号機取水口近くの井戸からセシウムが二万七〇〇〇ベクレル、三万三〇〇〇ベクレルと高い濃度で検出された。この水はセシウム134とセシウム137の濃度の比率がほぼ一対二。建屋地下の汚染水も同じく一対二。同じ種類の水である可能性が高い。
 海近くに集まってくる放射性物質はどこから来るのか。東電は「データが少なく、分からない」と繰り返すだけだが、汚染源が複数ある可能性を考え、早期に有効な対策を講じることが重要だ。

2013-07-11

地下水の汚染はやっぱり

東電は調べているばかりで依然として公表しませんが、ダダ漏れもいいところでしょう。どうなっているか判らない燃料が反応しているのではないでしょうか。こんなんで、よく再稼動とか申請できるものです。
『セシウム濃度急上昇 3万3000ベクレルを検出 福島第一』 【7/10 ハザードラボ】
   
東京電力は10日、福島第一原発の調査用の井戸から、これまでで最も高い1リットルあたり3万3000ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。4日前は309ベクレルで、濃度が急上昇している。
   
1〜4号機の東側には元々、観測用の井戸が3カ所あり、このうち「No.1」の井戸で5月24日に採取した地下水から1リットルあたり50万ベクレルのトリチウム、同1000ベクレルのストロンチウムを検出。以降、東電はこの井戸の東西南北に追加で井戸を掘り、放射性物質の濃度を観測している。
   
今回、高濃度のセシウムが見つかったのは、「No.1」の南側に掘り、海から約25メートルの地点にある「1ー2」の井戸。9日に採取した地下水からセシウム134が1万1000ベクレル、セシウム137が2万2000ベクレル検出された。国の定める基準に比べ、134は183倍、137は244倍にあたる。
   
井戸設置後に初めて採取した5日の段階では134が99ベクレル、137が210ベクレルで、3日間で急激に値が上昇している。一方、ストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質は90万ベクレルの横ばいで、セシウムだけ上昇した理由は不明という。
   
東電は、海への流出を防ぐため、7月末までに護岸の地盤改良工事を終える予定だが、現時点での流出については「わからない。データを蓄積して分析する」と判断を据え置いている。

2013-07-10

吉田昌郎元所長のご冥福を祈ります

東電からマスコミに取り上げられた人物で唯一許せる、と言うより大きく恩義を感じている方だけに、本当に惜しまれます。彼とその部下がいなければ、日本は終わっていたと言っても過言ではないでしょう。
『福島原発の吉田昌郎元所長が死去 収束作業を指揮』 【7/9 共同】

2011年11月、事故発生後初めて報道陣に公開された東京電力福島第1原発であいさつする吉田昌郎所長

東京電力福島第1原発事故の収束作業を現場で指揮した元所長で、東電執行役員の吉田昌郎(よしだ・まさお)氏が9日午前11時32分、食道がんのため都内の病院で死去した。58歳。大阪府出身。葬儀・告別式は未定。

東京工業大大学院修了後の1979年、東電に入社。原子力の技術畑を歩み、本店の原子力設備管理部長などを経て2010年6月に第1原発所長に就任。東日本大震災に伴う原発事故の収束作業を、主に原発敷地内の免震重要棟で指揮した。

11年11月には事故発生後の1週間を振り返り「(自分が)もう死ぬだろうと思ったことが数度あった」と話していた。

2013-07-09

全く反省の無い再稼動申請

再稼動申請された5原発は、以下の記事から読み取る限り、3.11級の被災となった場合、全部爆発すると予想されます。フクイチ爆発を受けた対策など何もせずに申請する電力会社とはいったい何なんでしょう? こんな国に誰がしたのでしょう?
『5原発10基を申請=再稼働に向け電力4社-新基準施行・規制委』 【7/8 時事】

東京電力福島第1原発事故の教訓を踏まえ、過酷事故対策などを強化した原発の新しい規制基準が8日、施行された。早期の再稼働を目指す北海道、関西、四国、九州の電力4社は同日午前、計5原発10基について、再稼働の前提となる新基準の適合性審査(安全審査)を原子力規制委員会に申請した。審査には少なくとも半年程度かかるとみられる。

北海道電は泊原発1~3号機(北海道泊村)、関電は高浜原発3、4号機(福井県高浜町)と大飯原発3、4号機(同県おおい町)、四電は伊方原発3号機(愛媛県伊方町)、九電は川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)について申請した。いずれも原子炉は加圧水型で、沸騰水型の福島第1原発とは異なる。

北海道電は最新型の泊3号機の審査を1、2号機より優先するよう要望。想定する津波の高さ(基準津波)は計測の結果、最大で海抜9.8メートルから7.3メートルに下がった

関電は大飯3、4号機の現状を規制委が確認した際、指示を受けて敷地周辺の三つの活断層の連動を想定した。しかし、申請では3連動を想定せず、想定する地震の揺れ(基準地震動)は従来通りとした。

四電は地滑りの影響を考慮し、基準津波を従来の海抜3.6メートルから同4.1メートルに引き上げたが、敷地の高さ(同10メートル)以下のため、新たな防潮堤などは不要とした。

九電は、事故時の対策拠点となる免震重要棟が2015年度に完成すると説明。代替の対策所を発電所構内の高台に9月中に設置するとした。

規制委は、事務局の規制庁と原子力安全基盤機構の職員約80人で審査に対応。泊1、2号機や高浜3、4号機など同型原子炉は2基1組で審査を進める方針だが、審査チームが三つしかないため、申請内容をある程度調べた上で、優先的に審査する原子炉を決める。

2013-07-08

北海道新聞社説

正しく書かれていると思います。付け加えるとしたら、こんな感じでしょうか?

  1. フクシマでは若年者の甲状腺がん発症の比率が上昇
  2. 東電だけでなく、他の電力会社も同様
  3. 国民投票もせず、なしくずし的に再稼動を進める政府のやり方は限界

『柏崎刈羽原発 再稼働の申請は暴挙だ(7月6日)』 【7/6 北海道新聞社説】

東京電力は、停止中の柏崎刈羽原発(新潟県)6、7号機の再稼働に向けた安全審査を原子力規制委員会に申請することを決めた。

東電の広瀬直己社長はきのう、新潟県の泉田裕彦知事と会談し理解を求めたが、知事は東電側の対応を厳しく批判した。

泉田知事の怒りは当然だ。

福島第1原発事故はいまだに収束していない

現に多くの住民が先の見えない避難生活を強いられ、広範囲にまき散らされた放射性物質の不安におびえている。

事故の当事者の東電に、現時点で原発を運転する資格などない。被災者をはじめ、多くの国民の神経を逆なでする暴挙だ。

しかも、東電は地元に事前の説明もなく、いきなり申請の方針を発表した。これで理解を得られると考える方がおかしい。

泉田知事は、福島の事故の検証・総括が再稼働の是非を論じる前提との姿勢を貫いている。知事の正論は誰の目にも明らかだ。

要求が通らなければ、再度の電気料金値上げをほのめかす東電の態度は居直りに近い。

柏崎刈羽は、福島第1原発と同じタイプの沸騰水型軽水炉だ。

8日に施行される新たな原発規制基準では、過酷事故対策として、放射性物質を除去しながら原子炉格納容器を減圧するフィルター付きベント装置の設置が義務づけられた。

東電は既に設置工事に着手しているが、新潟県側は、これを安全協定に基づく事前了解事項として説明を求めていた。

再稼働申請の決定は、こうした手続きを飛び越えて行われた。重ね重ねの地元軽視である。

柏崎刈羽は複数の原子炉の直下に、活断層が存在する疑いも浮上している。入念な調査が必要で、規制委が審査に入っても、終了する時期は見通せない。

それでも東電が無理を通そうとするのは、柏崎刈羽の再稼働が、昨年まとめられた総合特別事業計画の成否に直結するからだ。

計画は本年度の黒字化を目標としている。これが達成できず、3期連続の赤字となれば、金融機関から融資を打ち切られかねない。

だが、この計画は実態とはかけ離れた代物だ。

そもそも、柏崎刈羽が4月に再稼働することを前提としている。新基準施行前の再稼働は論外で、破綻は目に見えていた。

東電は実質国有化されている。このような状況を黙認してきた政府の責任は重い。現実味のない計画は、直ちに見直すべきだ。

2013-07-07

福島市のホットスポット

それにしても、民家の屋上で178万Bqというのは凄まじい数字です。同じような濃縮は山間でも進んでいるのでしょう。でも、このコケが無くても空間線量はこれぐらいあるのではないでしょうか?
『福島市中心部で170万ベクレル超のコケ 緊急除染へ』 【7/3 朝日新聞デジタル】

福島市の中心市街地で、店舗兼住宅ビルの屋上に生えたコケから1キロあたり170万ベクレルを超える放射性セシウムが検出された。市がビルの緊急除染を行う。

汚染されたコケは、ビル所有者の依頼を受けた東大宇宙線研究所の榎本良治准教授(素粒子実験)らが6月8日、ガンマカメラ簡易測定器で確認した。同市内のNPO法人が測定し、178万5216ベクレルを検出した。コケの真上1メートルの空間放射線量は毎時約0・5マイクロシーベルトだった。

コケが生えた屋上には子どもが遊ぶための人工芝を敷いている。榎本准教授は「人工芝の間にたまった土や、それに生えたコケに、雨水に含まれた放射性物質が残りやすい構造になっており、高濃度になったのだろう。広範な面的除染も大事だが、簡易測定で局所的に線量の高い場所を発見し、除染することが安心につながる」と話す。