- 『自民党の関係者たちと話したが、「小泉氏が何を考えているのかわからない」という反応』
→ 小泉さんの頭の中を推測するヒマが有るのなら、ことの本質をもう少し勉強したらどうでしょうか
→ 大前君は無理でしょうから、議員だけでも自分の頭で考えて、目を覚まして欲しいものです。
- 『安倍首相が「原発ゼロ」と言えば支持率はさらに上昇』
→ これが、国民の意見を聞くということではないでしょうか?
- 『二酸化炭素(CO2)の排出をどうするのか』
→ 温暖化など関係無いということを知らない訳ではないでしょうから、
いつまでも言ってては困りますね
- 『小泉元首相の神がかり的な「祟り」に遭う』
→ 『祟り』は大前君のそそのかしに乗ると遭うんでしょうね
『小泉「即ゼロ」発言は無責任、政府の原発再稼動にも問題あり』 【11/27 nikkei BPnet : 大前研一の「産業突然死」時代の人生論】
唐突に「原発ゼロ」、しかも「即ゼロ」を掲げる小泉純一郎元首相は無責任だとしか言いようがない。「小泉氏が何を考えているのかわからない」と言われても仕方がないだろう。だがその一方、原発再稼働を進める現政権のやり方も十分とは言えない。
小泉氏の脱原発運動を遠巻きに見る政府・自民党
小泉元首相は11月12日、日本記者クラブで講演し、「総理が決断すればできる。判断力、洞察力の問題だ。舵を切ってもらいたい」と語り、安倍晋三首相に対して脱原発を政治決断するよう迫った。
原発ゼロにする時期については、「即ゼロではないか」と述べた。小泉氏は脱原発の主張を強めた10月以降、安倍首相の名前を挙げるのを避けてきたが、今回は名指し。世論喚起が狙いと見られ、安倍政権の原発再稼働方針に影響を与える可能性もある。
政界では、小泉氏が突然、脱原発を主張し始めた動機がよくわからないという声が多い。私も自民党の関係者たちと話したが、「小泉氏が何を考えているのかわからない」という反応が目立った。
ただ、いくら動機が不明でも、小泉氏に対して真っ向から逆らうことは、政治家にはためらわれるようだ。小泉氏の国民的人気は依然として高いだけに、下手に逆らえば「小泉さんの言っていることの方が一理あるじゃないか」という声が出てきて、政府・自民党への支持を失いかねないと彼らは考えている。そのため、今のところは小泉氏の脱原発運動を遠巻きに見ているというわけだ。
何も勉強していないし、戦略も持ち合わせていない
私自身は、小泉氏の脱原発運動については懐疑的に見ている。小泉政権時に国家戦略策定を手伝った時の経験から言うと、小泉氏という人は長期的な戦略をあまり考えないタイプの政治家だ。彼は政治的勘というものに長けていて、今回も、勘で言うと「脱原発の方がいい」と判断したのだろう。
小泉氏は、今は蓄電技術が進歩しているから太陽光発電などで原子力を代替できると主張しているが、これも蓄電技術の現実を知らない愚論だ。現実には何も勉強していないし、戦略も持ち合わせていない小泉氏が脱原発を主張するのは、あくまでも政治的な“お節介”によるものである。
今、安倍総理が「原発ゼロ」と言えば、人気はさらに高まると小泉氏は考えているのだろう。しかも、今すぐに原発ゼロと言った方がいいと小泉氏は“指南”しているのだ。5年後に原発ゼロと言っても政治的にはあまり意味がないということだ。
小泉氏は何ら具体的な代案を示さない。その点を指摘されると、「原発ゼロという方針を政府が出せば、専門家や官僚が必ずいい案を作ってくれる」と非常に無責任なことを言っている。こうした態度では、「国民のことなどどうでもいい」というのが小泉氏の本音ではないかと疑われてもしかたがない。
政治家というよりも、ボクサーに向いている人かもしれない
確かに小泉氏の言うように、安倍首相が「原発ゼロ」と言えば支持率はさらに上昇して、政権はより安定するだろう。
しかし、そのかわりに電力供給が安定しなくなるのでは意味がない。マスコミはこういうパフォーマンスが好きだから過大に取り上げるが、小泉氏のパフォーマンスはまともに相手をしないに限る。
仮に原発ゼロを政治決断するならそれでも結構だが、それならば、二酸化炭素(CO2)の排出をどうするのか、電力料金の高騰をどうするのか、といった問題にちゃんと答えを示さなければならない。
そのうえで、国民の将来のために、日本の将来のために、いい選択をするというのが、普通に責任感のある人間がすることだ。
そうした面倒くさいことが小泉氏は嫌いなのだろう。彼の頭にあるのは、今この瞬間にどちらに舵を切った方がいいかという瞬発力である。政治家というよりも、ボクサーに向いている人なのかもしれない。
避難命令などソフト面の整備が遅れる柏崎刈羽原発
小泉氏が無責任な脱原発運動をエスカレートさせている一方で、原発再稼働に向けた動きが少しずつ進んでいる。東京電力から新規制基準への適合審査の申請が出されている柏崎刈羽原発6、7号機について、原子力規制委員会は13日、近く公開での本格審査を開始する方針を固めた。
もっとも、この審査を経ても、柏崎刈羽原発6、7号機の再稼働は早くても来年の夏になると見られている。審査がうまく進まなければ、さらに1年後になる可能性もある。
柏崎刈羽原発については新潟県の泉田裕彦知事がさまざまな安全性向上策を要求しているが、これについても東京電力が6、7号機の改修を進めている。少なくとも泉田知事が要求するような点については、今後対応していく予定、もしくはすでに着手・完了しているようだ。
泉田知事の要求はハード面ではかなり達成されてきているが、ソフト面ではまだまだ進んでいない。ソフト面というのは、いざという時に誰が避難命令を出すのか、どういう判断基準でどこまで避難するのか、といった組織運営体系を含む。このソフト面については、政府、規制委員会ともにまだ作業を進めていない。
ハード面はともかく、ソフト面の作業が進んでいない現状では、最終的に泉田知事が再稼働に同意するのは難しいのではないだろうか。
小泉元首相の神がかり的な「祟り」に遭うことにも
小泉氏の脱原発運動も無責任だが、現政権の再稼働に向けた動きも、責任感が十分に発揮されているとは言えない。ソフト面は東電ではなく政府が中心になって進めなくてはならない。特にAM(緊急事態)の判断や、その時の指示命令系統は福島の反省から相当しっかりしたものを作っておかなくてはならない。
しかし、いまその作業に当たるのが環境省なのか、原子力規制庁なのか、規制委員会なのか、あるいは内閣府なのか、はたまた経済産業省なのか、自治体を束ねる総務省なのか、判然としていない。
つまり、ハード面の改善は電力会社にいろいろ指示し、改修を急がせているが、組織運用面の新しいルール作りがまったく進んでいないのだ。
これは政府の責任であり、再稼働を急ぐ安倍政権もその作業をすることなく前のめりになれば、小泉元首相の神がかり的な「祟り」に遭うことになるだろう。
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