■ 地方自治問い直す契機
名古屋市議会解散の直接請求(リコール)に向けた署名活動が27日スタートする。リコールは、首長や議員ら代表者を選挙する間接民主制を補い、市民が直接政治に参加する手段の一つだ。代表者の判断や行動に不満があるときに住民が立ち上がるケースが一般的だが、今回のリコールは河村たかし市長が主導しているという点で異例であり、「独裁者になるつもりか」との批判が多く聞かれる。 → 市民の判断は、①リコール投票非実現=市長が「独裁者」 ②市民投票=議会が「独裁者」
議員らは、「汚職があったわけでもないのに、なぜ辞めさせられなければならないのか」という。確かにそうだ。ただ、「悪いこと」をしたかしないかだけが、リコールの理由になるわけではない。 → 市長公約への抵抗勢力となることは、十分「悪いこと」であるばかりか、特に報酬削減への遅延行為は「汚職」に匹敵する愚行
汚職政治家の追放や迷惑施設建設の是非をめぐっての住民運動が多い中、今回は、仕掛けたのが市長という点でいびつな形とはなっているが、市長と議会の関係や市政のありようをどう考えるかという、地方自治における根源的な問いをはらんでいる。
国政に比べ、地方自治には市民の力で社会を動かすことができる仕組みが用意されている。市長のやり方がおかしいと思うなら、市長のリコールという選択肢だってある。「ひとりひとりが主役」の民主主義の意味を問い直す機会にしたい。
(後略) (社会部・池田千晶)
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